気になることの一つ、コーヒーってそもそも初めて飲んだ日本人は誰だったのでしょうか?
例えば、歴史上初めて日本人で外国から入ってきた食品を食べた人物で有名なのは、水戸黄門でも知られる水戸光圀公が有名です。
チーズやラーメンあたりが有名ですが、その他にも餃子も初めて食べたとか!?
まあ歴史上の有名人物なので誇張されていたり、実際はこのクラスの藩主は毒見が付いていたでしょうから、その毒見の人物が本当の意味で初めてでは?とも思いますが・・
細かいことは気にせず、水戸光圀は好奇心が旺盛だったのでしょうね。
ではコーヒーを初めて飲んだ日本人は誰なのでしょう?
目次
コーヒーは江戸時代に日本に入ってきた
時代は江戸時代にさかのぼります。
やはり外国との交易がオランダなど一部だけだったとは言え、江戸時代には海外から多くの食べ物が入ってきたようです。
その外国との交易として窓口となっていた一つに有名な長崎にある出島があります。
オランダ人との交易はこの出島にて行われており、コーヒーが初めて日本に伝わったのもこの出島だと言われています。
ということで、日本人で初めてコーヒーを飲んだのは出島に出入りしていた、当時のオランダ通訳か役人または遊女であろうということです。
ですので初めてコーヒーを飲んだのは、名前が知られるような歴史上の人物ではないということですねー
しかしそれでは寂しいので、初めてコーヒーを飲んだ有名人で探すと出てきたのがコチラ!
もちろん諸説あります。
コーヒーの感想を記した大田南畝(大田蜀山人)
出典:ウィキペディア
大田南畝(おおたなんぽ)、別名 大田蜀山人(おおた しょくさんじん)という人です。
「ああーあの有名な!」とは、なかなかならないでしょう。
ていうのも、この方は文化人として名を馳せた方なので、なかなかその道の人ではないと知らないかと思います。
もともと出生は江戸のようです。
俳句を滑稽に詠んだ狂歌とよばれる歌の発展に携わった以外にも、随筆を書けばベストセラーだったとあります。
文化的背景だけでなく、支払勘定という役職にも就いていました。
のちに、長崎奉行所に赴任したとあります。
この事からも多岐にわたって、かなりスーパーな人物だったとも言えます。
また、長崎奉行所として行った後、長崎にてコーヒーも飲んだものと思われますね。
そんな中で、この大田南畝は多くの随筆を残していることもあり、だからこそ当時出来たであろうコーヒーを飲んだ感想も随筆にて書いています。
その時の感想をつづったのがコチラ
「紅毛船にて"カウヒイ"というものを勧む、豆を黒く炒りて粉にし、白糖を和したるものなり、焦げくさくて味ふるに堪えず」
カウヒイ=コーヒーでしょうね。なんか無理やりカタカナに置き換えているのが風情があります。
そして白糖とありますから、今でいうグラニュー糖あたりを入れて甘くして飲んだことも伺えます。
その結果の味が「焦げ臭くて飲めたものじゃない」という訳ですから笑
よほどですね!
まあ当時の日本人の味覚が今と違うというのは大いにあったでしょう。
何せ江戸時代はマグロも赤身中心で、トロの部分は脂っぽいという理由で捨てられてたというくらいですからね。
それに、当時のコーヒーも品質や淹れ方も違って、今みたいに美味しいものではなかったでしょうし・・・
説だけで言えば、他にもこんな日本人が!
出典:ウィキペディア
欧米との交易がそれ以前にもあったといえば、すでに織田信長の時代(安土桃山時代)からポルトガルとありました。
ポルトガルは当時、今では考えられないくらい植民地として世界中に領土を保有しており、その中にはコーヒー産地の南米大陸もありました。
当然、新しい物好きでも知られる織田信長ですから、この時コーヒーを飲んだ可能性も大いにあります。
この時にもし飲んでいたなら1500年後期なので、江戸時代よりかなり遡ることとなりますね。
また、コーヒーを飲む環境が整っていたと言えば、江戸時代初期に遣欧使節団として当時のスペインへと派遣された支倉常長(はせくらつねなが)という武将がいます。
スペインも同じく、当時の南米を中心に多くの植民地を持っていました。
丁度この時代にヨーロッパ本土でもコーヒーが流入してきた時期でもあり、やはり支倉常長もヨーロッパに派遣された際にコーヒーを飲んだ可能性があります。
ただ、ここまでは実際に記録として残っていないアンオフィシャルな話です。
他では、こんな記述もあります。
日本で最初にコーヒーを飲んだ人は? | 日本コーヒー文化学会 (Japan Coffee Society)
ここでは、薩摩藩の藩主である島津重豪(しまづしげひで)公がコーヒーを長崎から送ってくれるように頼んだとあります。
ただ、コーヒーを軟膏等と一緒に送ってくれというあたり嗜好品で飲むというより薬の一部として飲んでいた可能性が大いにありますね。
それでも、こちらは記録として残っているのでコーヒーを実際に飲んでいたことには変わりないでしょう。
コーヒーを勧めたシーボルト
オランダ人医師であるシーボルトが、当時交易が長くありながらも一向に普及していない自国文化に驚き、コーヒーもその一つにあったそうです。
そして、医師でもあるシーボルトはコーヒーが長寿に繋がる良薬の一つとして日本人にコーヒー普及をしていたそうです。
ただ、文化的な隔たりというのはやはり大きいようで、日本でコーヒーが一般的になるのは文明の開ける明治時代以降になりました。
それでも江戸時代は今のように初めて食べるモノに対して、予備知識がほとんどない状態だったと思うので、昔の人の初めて食す勇気に感謝ですね。
コーヒーもその一つだったと思います。
今回もご覧いただき有難うございました。