ドリッパーだけど、少し違う!?
そもそもドリッパーではない??
今回のドリッパーは、メリタのアロマフィルターについてです。
メリタ製のドリッパーは、カリタやハリオのドリッパー等とともによく紹介される代表的なドリッパーの一つです。
その中でも、異彩を放つのがメリタのアロマフィルターです。
ドリッパーの形をしておきながら、名前はドリッパーではなくフィルターと名付けられています。
それは、コーヒーの淹れ方に違いがあるんです!
目次
メリタ アロマフィルターは簡単で手間いらず!
メリタとは?
メリタはドリッパーを作っている会社で、ドイツの企業になります。
コーヒーでドイツってあまりイメージないですよね。
でも消費量は世界的に見てもトップ5に入るほどコーヒーの国でもあります。
そんなドイツのメリタですが、実はドリッパーに紙のフィルターを置いてコーヒーをドリップするスタイルを最初に作ったのが、このメリタなんです。
それまでドリップと言えば、ネル生地を使ってするネルドリップが一般的でしたから、全てのペーパードリップのまさに元祖ですね!
メリタはドイツの会社であり、考案者はメリタという主婦の方です。
それまでは、決して一般的な淹れ方ではなかったドリップを一気に普及させた功績は大きいですよね。
コーヒー好きの間ではメリタおばさんと呼ばれたりもしています。
ただ日本ではドリッパーの定番でありながらも、宣伝に熱心ではないせいか?!カリタやハリオに押されてお店で見かけなくなりました。
ちなみにメリタも中央の一番低い場所に穴がある通常のドリッパーもあります。
アロマフィルターの特徴
他のドリッパーとの違い
アロマフィルターの穴は、一つ穴ですが他のドリッパーと違うのは穴の空いている位置です。
普通は、中央の一番下にありますが、アロマフィルターは少し中央からズレていてしかも底より高い位置にあります。


写真上側のリブにかかるように穴があるのが分かります。
これが、アロマフィルターの最大の特徴です。
淹れ方の違い
普通のドリッパーは円を描くようにして複数回に分けて、お湯を注ぎますがアロマフィルターは違います。
約30秒の蒸らす所までは一緒ですが、そのあとはお湯を一気に落とす量だけ注いで抽出するのを待つだけなんです!
これは、お湯を都度注ぐ透過式と違い、浸漬式の製法に近いです。
この手軽さがアロマフィルターの最大の持ち味です。
こんな人におススメ
まだドリップ初心者で淹れ方が分からないけど失敗したくもない
朝の忙しい時間に時短でコーヒーを淹れたい
ドリップコーヒーを飲みたいが作るのが面倒くさい
メリット
主張の強い豆でも、味を和らいで入れることが出来る
雑味が抽出されにくく失敗が少ない
デメリット
少し薄くなるので、コーヒーの酸味や苦味を生かしたい時には不向き
ドリップする必要がないのでドリップをする練習にはならない
作るのが味気なく感じる時がある
実際の作り方
最初に今回使う豆は浅煎りのエルサルバドルです。
1.フィルターにペーパーをセットします。
扇型(扇状型)と呼ばれる作りです。


(左)底の折り目に沿って折り、(右)横側の折り目を底の折り目と逆側に沿って折ります。
2.コーヒー粉を入れます。
他のドリッパーと違うところは推奨が1杯125mlということです。
ペーパーも小振りになっているので、あまり多くのコーヒー粉は入れることが
出来ません。
そこは注意が必要です。
3.約30mlのお湯を注ぎ、約30秒間蒸らします。
4.30秒経ったら、一気にお湯を注ぎます。
今回約130ml作るので130ml分だけのお湯を1回で注ぎます。
ほぼペーパーのギリギリのラインまでです。
5.最後まで落としきったらフィルターをはずします。
6.出来上がりです!
写真を見てお分かりでしょうか?
ドリップケトルではなく、電気ケトルで直接お湯を注いでいるんです。
これが出来てしまうのが、アロマフィルターの簡単に作れる長所の一つです!
雰囲気を出すのにはもちろんドリップケトルもありです。
ちなみにフィルター自体は1~2杯用ですが見ての通り小さいので、1度に2杯分のお湯は入りません。
2杯目を作るときは、1杯目のお湯が落ち終わってから注ぐようになっています。
味の特徴
全体的にはあっさりと味が丸くなる印象です。
今回は浅煎りの豆だったので、酸味が抑えられている印象ですね。
少し薄く感じるかもしれませんが、安定した味を出すことが出来ます。
例えば、苦味や酸味の強いコーヒー豆で、「自分には合わない・好みの味じゃないしちょっとなー」という時でも、アロマフィルターはあっさり目に出るので、意外に美味しく飲めたりするんです。
私もあまり、酸味の強すぎるのは好まないのですが、そんな時はアロマフィルターを使うと不思議と飲めたりします。
先程にも書いた通り、このアロマフィルターも他のドリッパーに比べると知名度は落ちるのは残念です。
最近は浸清式と呼ばれる似たようなドリッパーも増えてきましたが、機構も他のドリッパーにはない考えで面白いので、一つ家で持っていても損はしないコーヒー器具だと思います。
今回もご覧いただきありがとうございました。